2014/11/14

WHO INSIDE。

TVでS&Mシリーズをやっているという事で、久しぶりに森博嗣さんの本を引っ張り出して読んでいる。
それで『封印再度』を読んだが、なかなかいい文章があったのでメモがてら引用する。

“普通なら一本の線、一つの塊、平衡翼を予期するところにそれがない、しかもこの事実が予期せざる快感を心中に喚びおこすのである。それはあきらかに短所や欠陥であるにもかかわらず、そうは感じられない。事実、この不完全そのものが完全の形になる。いうまでもなく、美とはかならずしも形の完全を指していうものではない。”

“日本の美は、だいたいその七五三のバランスだ。シンメトリィではない。バランスを崩すところに美がある。もっと崇高なバランスがある”

“法隆寺の伽藍配置、それに漢字の森という字もだいたい、三つの木の大きさが七五三だね。東西南北という文字だって、左右対称を全部、微妙に崩している……。最初からまったく非対称というのでは駄目なんだ。対象にできるのに、わざとちょっと崩す。完璧になれるのに、一部だけ欠けている。その微小な破壊行為が、より完璧な美を造形するんだよ”

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